同じ人を好きになるなんて
こう見えても私は焼肉屋で働いていた。といってもエリアマネージャーだけどね。

だから肉には少しうるさい。

だが用意された肉は程良く脂が乗っていて本当に美味しそうだった。

「いつもまゆりにばかり家事をお願いしていたから今日は俺がやるからまゆりはここに座って」

陸斗は私を椅子に座らせると肉を焼き始めた。

いくつか肉を焼くとそれを皿に乗せてくれた。

お酒もワインやビール酎ハイとなんでも揃っている。

もう至れり尽くせりだ。

「このお肉にトリュフ塩をかけるとすごく美味しいんだよ」

そういって陸斗はお肉にトリュフ塩をかけてくれた。

「いただきます」

私はお肉を食べた。するとふわっとトリュフの香りと塩がお肉の味を引き立ててくれて

「おいしい。トリュフ塩ってすごい」

焼肉屋にいたのにこんなの初めてだった。

そしてある程度お肉が焼けると陸斗も一緒にお肉を味わった。

だんだんと日が落ちて薄暗くなってきた。

すると陸斗はキャンドルとランタンを用意した。
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