同じ人を好きになるなんて
優しいキャンドルの火が私たちとその周りを照らしている。

「料理も美味しいしい、景色も最高だし……この雰囲気もとっても素敵」

「二人きりでここに来るのが俺の夢だったから……本当に嬉しい」

陸斗の私を見つめる目がキャンドルのせいなのかすごく潤んで見える。

さっきまでは普通に接していたのに私は陸斗に見つめられてドキドキしていた。

それをごまかそうと立ち上がった。

「次は私がお肉焼くね」

だけど陸斗は私の腕を掴んだ。

「ごめん。実はもうお肉は全部焼いたんだ。火だってもう消した」

「え?」

「俺は早くまゆりとの時間が欲しいんだ」

「え?今だって二人で楽しんで––」

陸斗は首を横に振った。

「そういうのじゃない時間だってことわかってるくせに……それとももっとストレートにいって欲しい?」

「わ、わかってる。ただ恥ずかしいくて……それにここの片付けだって」

陸斗は首をゆっくりと横に振った。

「そんなのは明日二人でやればいいさ」

陸斗は立ち上がると服を脱ぎ出した。

「り、陸斗何?まさかこんなところで?」

いくら周りが山でも流石にまずいでしょ。慌てて止めようとすると陸斗はお風呂を指差した。

「そこの露天風呂に入るんだよ。ほらまゆりも脱いで」

ええええ?
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