同じ人を好きになるなんて
「私無理だわ。陸斗が仕事だからといっていろんな女性とあんなことをされても寛大な気持ちになれない」
「まゆり?だからそれは––」
「初めて告白してくれた時、ご飯を食べる姿に癒されてたっていってくれたけど……その時私はもういないし、美味しそうにご飯を食べてくれた陸斗も……もういないの。顔を合わせれば喧嘩ばかり……これ以上嫌いになりたくないのだから……もう終わりにしてください」
本当はこんなこと言うつもりはなかった。
好きだったし、陸斗がそばにいてくれない寂しさから出たでまかせだった。
だけど一度口にした言葉を撤回することの難しさを知っている私は、後悔することしかできなかった。
陸斗の返事は「わかった」
あまりにも短い言葉に返す言葉も見つからなかった。
陸斗が私の前から去って一人になったからパッと空を見上げるとまん丸いお月様が私を照らしていた。
「綺麗な満月」
だけどどんなに綺麗に照らしていても満月は人を残酷に照らしていた。
「まゆり?だからそれは––」
「初めて告白してくれた時、ご飯を食べる姿に癒されてたっていってくれたけど……その時私はもういないし、美味しそうにご飯を食べてくれた陸斗も……もういないの。顔を合わせれば喧嘩ばかり……これ以上嫌いになりたくないのだから……もう終わりにしてください」
本当はこんなこと言うつもりはなかった。
好きだったし、陸斗がそばにいてくれない寂しさから出たでまかせだった。
だけど一度口にした言葉を撤回することの難しさを知っている私は、後悔することしかできなかった。
陸斗の返事は「わかった」
あまりにも短い言葉に返す言葉も見つからなかった。
陸斗が私の前から去って一人になったからパッと空を見上げるとまん丸いお月様が私を照らしていた。
「綺麗な満月」
だけどどんなに綺麗に照らしていても満月は人を残酷に照らしていた。