同じ人を好きになるなんて
普通に考えて元彼とその子供と一緒にファミレスに行けるわないかないじゃない。

奥さんだっているはずだし、どんな理由だろうと、奥さんのことを考えれば元カノと元彼が一緒にいるのは気分のいいものではない。

「ですがもう大丈夫なんで」

やんわりと断った。だけど引き下がる気配はないどころかスカートの汚れを指差した。

「でもこのままじゃ流石に……」

スカートのシミは大きな水玉のようになっているけど位置が悪かった。

膝丈スカートのど真ん中。

だけどスカートのシミと妻子もちの元彼を天秤にかけたら……やっぱり一緒にいてはいけない。

「もういいです。とにかく私は帰り––」

「ます」という言葉は私のお腹の虫でかき消された。
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