同じ人を好きになるなんて
すると理人くんがすごい驚いた顔で私を見た。

「お姉ちゃんってお腹の中におもちゃが入っているの?だって今ギュルギュルって言ったよ」

もう、すごく恥ずかしいんだけど!

すると今度は陸斗が笑いだした。

「そうだよ。お姉ちゃんはすごくお腹が減ってるからそれを教えてくれたんだよ」

全く、私をなんだと思ってるの?

と言いたいところだけど、今日は何も食べていなかった。

お腹の虫の管理ができてなかった自分に後悔する。

するとスカートの裾を持っていた理人くんが私の手を取った。

「ね〜一緒にご飯食べようよ〜」

「え?でも……」

子供ってずるい。上目遣いで訴えられたら断りにくいじゃない。

すると陸斗まで「理人もこう言ってるし、お詫びにご馳走するよ」

昔と変わらぬ柔らかい笑顔と理人くんの訴えるような目に負けた。

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