同じ人を好きになるなんて
「理人はもう決まってるんだからお姉さんにメニュー見せてあげないさい」

「は〜い」

理人くんからメニューをもらうと、パラパラとめくった。

めちゃくちゃお腹が減っているけどがっつり定食は気が引ける。

私は高すぎず安すぎずのシーフードドリアにした。

「あの……決まりました」

遠慮がちに答えると陸斗は呼び出しボタンを押した。

そしてお子様ランチとシーフードドリア。そしてミックスサンドとアイスコーヒーをオーダーした。

オーダーが済むと理人くんと目があった。

「ね〜。お姉ちゃん名前なんていうの？」

そういえば、陸斗が私のことを知っているから自己紹介していなかったことに気付く。

「名前まだ言ってなかったね。お姉さんの名前は須藤まゆりっていいます。よろしくね」

「じゃあ、まゆりお姉ちゃんって呼んでいい？」

私は笑顔で頷いたが内心、これで良かったのかな？と複雑な気持ちだった。

「ところで……さっき求人雑誌を持っていたけど……会社辞めたの？」

「え？それは……」
< 35 / 204 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop