同じ人を好きになるなんて
「噓……」
ここにも閉店の張り紙があった。
店内が見える場所を探して覗くと、店の中はそのままの状態だったが、すでに
テナント募集の看板が貼られてある始末。
うな垂れながら事務所に戻り、説明をするとやりきれない社員たちの姿に泣けてくる。
すると「電話もダメだ!」と爆発寸前の社員。
だけどここにいてもなにも始まらない。
とにかく今後のことを考えなくてはと帰ろうとしたその時だった。
誰かが私たちの方へ向かって走ってきた。
それは一号店の店長だった。
「昨日、開店する少し前に社長が店に来て会社が倒産したことを聞きました。それで社長からみんなに渡してくれと……」
そういって店長が私たちに茶封筒を渡す。
今まで振込みだったお給料。
最初で最後の手渡しだった。
封筒の中にはお詫びの手紙も添えられていた。
だけどそれで納得できるほど優しくはない。
中には受け取った茶封筒を強く握り悔しがる人もいた。
いやきっとみんな同じ思いだ。
なんでもっと早く言ってくれなかったのか?
聞けば他の店舗も同じように社長がお詫びの挨拶に来たそうだ。
一番近くにいた私たちにだけなにも告げなかった社長に対しみんな憤りを感じながらその場から去った。
ここにも閉店の張り紙があった。
店内が見える場所を探して覗くと、店の中はそのままの状態だったが、すでに
テナント募集の看板が貼られてある始末。
うな垂れながら事務所に戻り、説明をするとやりきれない社員たちの姿に泣けてくる。
すると「電話もダメだ!」と爆発寸前の社員。
だけどここにいてもなにも始まらない。
とにかく今後のことを考えなくてはと帰ろうとしたその時だった。
誰かが私たちの方へ向かって走ってきた。
それは一号店の店長だった。
「昨日、開店する少し前に社長が店に来て会社が倒産したことを聞きました。それで社長からみんなに渡してくれと……」
そういって店長が私たちに茶封筒を渡す。
今まで振込みだったお給料。
最初で最後の手渡しだった。
封筒の中にはお詫びの手紙も添えられていた。
だけどそれで納得できるほど優しくはない。
中には受け取った茶封筒を強く握り悔しがる人もいた。
いやきっとみんな同じ思いだ。
なんでもっと早く言ってくれなかったのか?
聞けば他の店舗も同じように社長がお詫びの挨拶に来たそうだ。
一番近くにいた私たちにだけなにも告げなかった社長に対しみんな憤りを感じながらその場から去った。