同じ人を好きになるなんて
絵を描いたことや砂場で川を作って水を流したり、英語の歌を歌ったこと。

目をキラキラさせて話す姿に愛おしさを感じるほどだった。

するとりっくんが急に足を止めた。

「どうしたの?」

りっくんは何か考えるように私を見上げた。

「うん……あのね僕よくわかんないんだけど結婚って何?」

「け、結婚?」

あまりに唐突な質問に大きな声が出てしまった。

おまけに周りにいるお母さんたちも反応したかのように視線を向ける。

とりあえず話はここを出てからにしよう。

私はりっくんの手を引いて一旦保育園を出た。

「でもどうしてそんなっこと聞くの?」

「だって……あゆみちゃんが僕と結婚したいっていうんだもん」

え?今時のこどもってすごくない?

「もしかしてりっくんプロポーズされたの?」

「プロポーズ?」

わかるわけないか。

男の子より女の子の方がませてるっていうから……男の子って意外とわかんないのよね。
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