同じ人を好きになるなんて

りっくんの様子も見に行った陸斗が降りてきた。

そしてそのままお風呂へ直行した。

私は止めていた手を動かし、ハンバーグを焼いたり、簡単なおつまみを準備した。

しばらくすると首にタオルを巻き、それで頭をわしゃわしゃとふきながら陸斗がお風呂から上がってきた。

Tシャツにスウェットのハーフパンツ姿で現れた陸斗は相変わらず何をきてもかっこよく不覚にもドキッとしてしまった。

だって付き合っていた時と変わらぬスタイルだし何より今着ているTシャツ。

私が陸斗の誕生日にプレゼントしたものだった。

アルバイトして買ったTシャツはセレクトショップで買ったもので、生地がしっかりしていて長く着れると言う店員さんの言葉が決め手だった。

お値段もそれなりで、二十歳そこそこの私にはかなり思い切った買い物だった。

それを今も着ている事に驚きを隠せなかった。