同じ人を好きになるなんて
「まゆり?おいまゆり。いつまでもそんなところにいるとのぼせるぞ?早く出てこい」

陸斗がお風呂の扉越しから私に話しかけてきた。

だけど今度はどんな顔をしてお風呂から出ればいいの?

余計出にくくなった私は出るに出れなくなっていた。



あれ?私どうしちゃったの?

すごくふわふわして、何かに包まれているようで安心する。

適度な揺れ?まるで誰かに優しく抱き締められているような感覚。

それでいて懐かしい感触。

あれ?何だろう。

誰かの影が見える。でもそれが誰何をしているのかはわからない。

だけどどこかで見覚えのあるシルエット。

夢でも見ているのかな?

あれ?遠くの方が眩しい。

私はまぶしく光る何かを見ようと手を伸ばしゆっくりと目を開けた。

するとぼんやりと見えたのは誰かが私を覗き込んで切る姿だった。

「ん?……んん?」

「あ!起きた!」

ん?この声は……りっくん?
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