同じ人を好きになるなんて
ゆっくりと目を開けるがまだ頭がぼーっとする

「陸パパすごい!あの魔法すごいね。僕もやってみていい?」

魔法?

やっぱり私、夢でもみているのかな?

「理人にはまだ早いよ。この魔法は好きな人にしか効かないんだからね」

あれ?この声は陸斗?

でも何を言っているのだろう。

「そうなんの?じゃあ陸パパって––」

「しーっ。理人、静かにしようね。まゆり姉ちゃんまだ辛そうだから」

「うん。じゃあ僕寝る」

「よし、じゃあお部屋に行こう」

陸斗とりっくんの会話が聞こえてきたような気がしたが、だんだんと瞼が強制的に閉じてしまった。

それからどのくらい経ったのだろう。

長い夢から覚めた私はゆっくり起き上がった。

だけど、一瞬自分がどこにいるのかわからなくなっていた。

だってここは私の部屋じゃない。

あれ?私ってなんで寝てるの?

それからゆっくりと時間を巻き戻すと目覚めとともに記憶の断片が徐々に繋がっていく。
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