君がキライなそのワケは
曇天
夏の始まりはまだ梅雨が抜けなくて。
どんよりとした分厚い雲に覆われた空。
教室の窓を開けて、身を乗り出すように眺めても当然気も天気も晴れる気配はない。
「あ、ここにいた」
振り返る。親友の康野 富美(やすの ふみ)だった。
「もうっ、一緒に帰ろうって言ったじゃん」
「あー、ごめんごめん」
私、木城 莉子(きじろ りこ)が軽く謝ると、富美はそんなに気にする様子もなく隣に来た。
「曇ってるねぇ」
「梅雨だからね」
「梅雨って……もう7月よ?」
富美は呆れたように笑う。
「莉子、最近ちょっと変よ?」
「そう、かな……」
変? 自覚はないけどなァ。
私は放課後独特の雰囲気と、グラウンドで練習する運動部達の賑やかな声に耳を傾けていた。
「もしかして。恋でもした?」
「はァ?」
何言ってんの。と振り向いて一笑に付すと、富美は急に真面目な顔で私を覗き込んできた。
「いーや、やっぱなんかあったんでしょ? 」
「んー?」
曖昧に笑って再び窓の外に向いた。
どんよりとした分厚い雲に覆われた空。
教室の窓を開けて、身を乗り出すように眺めても当然気も天気も晴れる気配はない。
「あ、ここにいた」
振り返る。親友の康野 富美(やすの ふみ)だった。
「もうっ、一緒に帰ろうって言ったじゃん」
「あー、ごめんごめん」
私、木城 莉子(きじろ りこ)が軽く謝ると、富美はそんなに気にする様子もなく隣に来た。
「曇ってるねぇ」
「梅雨だからね」
「梅雨って……もう7月よ?」
富美は呆れたように笑う。
「莉子、最近ちょっと変よ?」
「そう、かな……」
変? 自覚はないけどなァ。
私は放課後独特の雰囲気と、グラウンドで練習する運動部達の賑やかな声に耳を傾けていた。
「もしかして。恋でもした?」
「はァ?」
何言ってんの。と振り向いて一笑に付すと、富美は急に真面目な顔で私を覗き込んできた。
「いーや、やっぱなんかあったんでしょ? 」
「んー?」
曖昧に笑って再び窓の外に向いた。