君がキライなそのワケは
「バッカじゃねーの?」

涼介はせせら笑った。

「まだ俺たち小学生だぜ? それにアイツだって中学生だし」
「将来って言ってるでしょ! バーカ」
「バカって言うなッ! ……ケッ、お前なんて胸も無いようなガキ、相手にする訳ねーだろ」

そう言って何の恥じらいも無く、私のペタンコの胸をつつこうと木の枝を伸ばしてくる。

「触んなっ、ヘンタイっ!」

腹に軽く蹴りを入れる。

「ゴブッ!……ゴホッ、ゴホッ……こンの暴力女」
「ふんっ、油断してる方が悪いのよ」
「コノヤローッ!」

また私達は喧嘩する。
大体止めに入るのはフミオか太郎さんだ。

でもこの時は陽太君がすごく嫌な顔をしていたの覚えている。
ジッと涼介の事を睨みつけている。

ほんの少しだけだけ怖くなって、彼から貰った百合の花を抱きしめていた。
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