君がキライなそのワケは
紛い物ウエディング
―――ほんの少し、意識が途切れた。
眠っていたんだ、と気が付いたのはそのすぐあと。
「ん……ここ」
古びた木の床は身動きするだけで軋んだ。
薄暗いけれど、よく目を凝らせば見覚えのある場所。
「きょ、う、かい……?」
町の外れに廃屋になった教会があった。
ここら辺の子供たちはよく探検や肝試し等と、理由を付けてはここに忍び込み遊ぶ事が多かった。
私達も親や先生達から、危ないから近付かないように言われていたがそんなのお構い無し。
ついこの前も秘密基地と称して遊んだばかりだ。
「……起きたんだね」
後ろから声がして振り返った。
陽太君だった。
「莉子」
その姿にびっくりして、私は押し黙る。
真っ黒なタキシード姿にだったから。
「莉子、綺麗だね」
そう言われて初めて気が付いた。
……私は白いワンピースを着ていた。
レースやフリルのふんだんに使われたその衣装。
「結婚式、しようか」
彼は私の手を取った。
眠っていたんだ、と気が付いたのはそのすぐあと。
「ん……ここ」
古びた木の床は身動きするだけで軋んだ。
薄暗いけれど、よく目を凝らせば見覚えのある場所。
「きょ、う、かい……?」
町の外れに廃屋になった教会があった。
ここら辺の子供たちはよく探検や肝試し等と、理由を付けてはここに忍び込み遊ぶ事が多かった。
私達も親や先生達から、危ないから近付かないように言われていたがそんなのお構い無し。
ついこの前も秘密基地と称して遊んだばかりだ。
「……起きたんだね」
後ろから声がして振り返った。
陽太君だった。
「莉子」
その姿にびっくりして、私は押し黙る。
真っ黒なタキシード姿にだったから。
「莉子、綺麗だね」
そう言われて初めて気が付いた。
……私は白いワンピースを着ていた。
レースやフリルのふんだんに使われたその衣装。
「結婚式、しようか」
彼は私の手を取った。