君がキライなそのワケは
寝た子はやはり起こせ
「……っ! 」
「……ッ!」
すごくうるさい。
耳元で誰かががなり立てている感じだ。
仕方なくゆっくりと目を開ける。
(う、眩し)
蛍光灯の明かりは起きがけの目には酷だなァ、なんて呑気な事を考えていた。
「莉子? ねぇ、莉子?」
「おいッ! 大丈夫か? なぁ!?」
「……無理しなくていい、ゆっくり目を開けなさい」
(あ。太郎さんの声……ほんと良い声だ)
胸がチクリと痛いけど、なんだか今はどうでもいい。
私はその言葉通りにゆっくり瞬きを繰り返した。
「……え。みんな!?」
横になった私を覗き込んでいたのは三人。
泣きそうな顔で私の手を握っている富美。
何故か死にそうな顔色している涼介。
心底安心した、という顔の太郎さん。
(みんな、え? なに?)
もしかして私、寝てた……いや倒れた?
「涼介の部屋で気を失っていたんだ」
優しい声で太郎さんが説明する。
(ああそうか。そう言えばうっすらと)
涼介に部屋に連れ込まれて、アルバム見て……あ。
「り、涼介?」
「………」
(おいおいおい、目ェ逸らしてんじゃあないよ)
意識を失う前のことをハッキリと思い出してきた。
このバカ涼介が私を……。
「あれ」
(涼介、涼介……あ!)
スっと思考が落ち着いた。
今まで感じてきた違和感にさっき見た夢。
私がこの格好をしてきた本当の理由。
(思い出した)
勿論完璧にではないし、あの悪夢みたいな日のことはまだ断片的なモノだ。
それでも。
「なァ、涼介……今度、またアルバム見せてよ」
―――コイツに対する私自身の感情も、分かってくるかもしれない。
「……ッ!」
すごくうるさい。
耳元で誰かががなり立てている感じだ。
仕方なくゆっくりと目を開ける。
(う、眩し)
蛍光灯の明かりは起きがけの目には酷だなァ、なんて呑気な事を考えていた。
「莉子? ねぇ、莉子?」
「おいッ! 大丈夫か? なぁ!?」
「……無理しなくていい、ゆっくり目を開けなさい」
(あ。太郎さんの声……ほんと良い声だ)
胸がチクリと痛いけど、なんだか今はどうでもいい。
私はその言葉通りにゆっくり瞬きを繰り返した。
「……え。みんな!?」
横になった私を覗き込んでいたのは三人。
泣きそうな顔で私の手を握っている富美。
何故か死にそうな顔色している涼介。
心底安心した、という顔の太郎さん。
(みんな、え? なに?)
もしかして私、寝てた……いや倒れた?
「涼介の部屋で気を失っていたんだ」
優しい声で太郎さんが説明する。
(ああそうか。そう言えばうっすらと)
涼介に部屋に連れ込まれて、アルバム見て……あ。
「り、涼介?」
「………」
(おいおいおい、目ェ逸らしてんじゃあないよ)
意識を失う前のことをハッキリと思い出してきた。
このバカ涼介が私を……。
「あれ」
(涼介、涼介……あ!)
スっと思考が落ち着いた。
今まで感じてきた違和感にさっき見た夢。
私がこの格好をしてきた本当の理由。
(思い出した)
勿論完璧にではないし、あの悪夢みたいな日のことはまだ断片的なモノだ。
それでも。
「なァ、涼介……今度、またアルバム見せてよ」
―――コイツに対する私自身の感情も、分かってくるかもしれない。