俺の、となりにいろ。
「…で、本当にケガはないんだろうな」
「は、はい。大丈夫です」
「…そっか。無事ならいい」
スピーカーから、秀人の「ハァ」と息をつく声が聞こえた。
やっぱり心配しているのだと思い、
「し、心配かけて…ごめんね」
と、伝えた。
すると、しばらく沈黙が続いたあと、
「咲は俺のとなりにいろ。危なっかしくて、落ち着かない」
と、ドキリとした台詞を言われてしまう。
「ほ、本当に大丈夫です」
「いいや。咲の「大丈夫」は信用できない」
「あうっ……」
秀人に言い負かされ、ガックリと頭を垂れた。