俺の、となりにいろ。
そして今日、秀人が帰ってくる。
二日前の電話から、時間の流れがゆっくりと感じた。彼が帰ってくることが、こんなに待ち侘びている自分に苦笑してしまう。
早く会いたい気持ちが溢れて、仕事に集中できず、「しっかりしろ」と独り言ばかりである。
五階のお手洗いは、今日もお化粧直しの女性社員でいっぱいだ。
タイミング悪く個室から出そびれてしまい、仕方なく狭い空間で待つことにした。
「ねぇ、聞いた?桐谷課長、社長の指示で支店を何ヶ所も回ってるんですって」
早速持ち上がる、秀人情報。
──今日、帰ってくるんですけどね。
心の中で、嬉しさを噛みしめる。