俺の、となりにいろ。
少しずつ変化していく、宇田支店長の冷たい表情と、睨み殺されそうな毒々しい視線に、足だけの震えが全身に広がっていく感じがした。
「前にも同じことを言ったが、僕は誰一人セクハラをしていない。それは全社員の誰に聞いてくれても構わないよ。もし、一人でも君と同じで僕が「セクハラをしている」という人があれば、僕は今ここで君に土下座でもなんでもして謝罪しよう。しかし…」
宇田支店長の両目は、しっかりと私を捉えたままだ。
「しかし、状況が七年前と同じなら、君はどうするかね?一度は助けてあげられても、二度目の過ちは、さすがの僕も黙ってはいられない。これだけの社員の前で「僕」という人間を傷つけているのだから」