俺の、となりにいろ。
物音一つない、ひんやりとした空気の中で、一人ピリピリと電気を放つような圧力を漂わす秀人。彼は周りを確固たる証拠とともに、自分の空間へ引き込んでしまった。
秀人は冷やかに床に散乱した書類に目を落とす。
「そこにある、あなたの指示で不正をした会社を取引停止にしても、こちらは何の支障もありません。宇田支店長、ここは男らしく
洗いざらい白状してください。もちろん…」
──女子社員に行ったセクハラの件も、ですよ。
宇田支店長に近づき、周りが聞こえないくらいの声で咎める。
「……」
眉を潜め、苦々しい顔で秀人を見る宇田支店長。