俺の、となりにいろ。


ふわり。

後ろから腕が伸びてきて、そっと壊れ物を扱うように、私を包み込む。

「次は、俺の番」

秀人のハスキーな色気のある声に、うっとりと体の力が抜けてしまう。
彼の腕に体を預けていると、彼の顔が近づいてソバカスの頬に「チュッ」と軽いキスをする。柔らかい唇の感触に、ドキドキしてしまう。

耳元で「クスッ」と小さく笑う声が、私の心拍数を上げていく。

「俺を大切で大好きなら、俺は咲を大好き以上に愛してる。前にも言っただろ?」

もう、自分の心臓がうるさくて仕方がない。


< 142 / 161 >

この作品をシェア

pagetop