俺の、となりにいろ。

恥ずかしくなって少し離れてみようと、身動ぎしてみる。
「ちょっ…仕事中だよ」
「今は休憩中」
しっかりと抱きしめる秀人に、私は弱い。

「やっと捕まえたんだ。離すかよ」

低く呟いた声に、ポッと顔が熱くなる。

「俺達の出会いは世間的には有り得なくても、俺はあの日の一瞬で「俺」という人間がお前に溺れたんだ。上手く言えないけど…」

小声で切なく聞こえるハスキーボイスが、私の思考回路を狂わせる。
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