俺の、となりにいろ。

「じゃあ。お言葉に甘えて、いただくよ」

彼の長い指の大きな手に対して小ぶりなおにぎりをパクリと一口食べた。
「お、鮭だ。ラッキー」
と、中の具を見て言いながら、三口でおにぎりを食べ終えた。

あっという間に食べる様子を、ポカンと口を開けて見ていると、彼は私が口をつけて飲んだペットボトルのお茶を飲み始めた。

「あ、それは」
と、気がついて慌てて声をかけた私に、桐谷秀人はキョトンとした。


「何を今さら。同じものに口をつけたくらい、俺とアンタとの関係にどうってことないだろ」


彼は当然のように、爆弾発言を投下したのだった…。
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