俺の、となりにいろ。

頭から蒸気が噴き出すくらい、体温が急上昇する私に対し、桐谷秀人は涼しいイケメン顔を向けて飄々とハスキー声を放つ。

「まさか、七年前のあの事は既に時効だと思ってる?」

彼は綺麗な顔で私のソバカス顔を覗き込み、その切れ長の鋭い瞳で見つめ合う。

「で…でも、私のことなんてきっと忘れていると…」
「俺はアンタを忘れるほどの軽い気持ちで、抱いたわけじゃねぇよ」

すぐ言い返されたダイレクトな言葉に、心臓がドクンッと高鳴る。
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