俺の、となりにいろ。
「あ、桐谷課長」
後輩の営業アシスタントの女の子が、こちらに近づいてきた。
「お疲れ様です。会議室を片付けにきました」
彼女は少し顔を赤らめて話しかけてきた。
俺は軽く「お疲れ」と言って、その場を離れようとした。
「あのっ。桐谷課長、明日の夜は時間ありますか?もしよかったら食事でも…」
「悪いけど、仕事が忙しいから遠慮するよ」
「それなら金曜日はどうですか?懇親会の後に一緒に…」
「悪いけど」
俺は何かと食い下がってくる女子社員を見た。
彼女は眉を八の字にしても「じゃあ、ゴールデンウィークに暇な日は」なんて言い出す。