俺の、となりにいろ。
「俺は名前も知らない君と、どこかへ出かける気はない。悪いけど断らせて…」
「わっ、私は営業アシスタントの北野です。桐谷課長のことは、ずっと前から存じています。心に決めた女性がいることも知っています。でも、一度でいいですから、私と付き合って欲しいんです!」
必死になる北野という女の目は血走っていた。
誘いに乗らない俺だと知って、敢えて誘ってくる女、余程自分に自信があるのか。
すると、女は俺へ詰め寄り始める。フローラル系の香水が強くて鼻が曲がりそうだ。