クールな騎士団長はママと赤ちゃんを一途に溺愛する
怖いけれど、これで王女と引き離される心配はなくなった。直ぐに殺されることも無いだろう。
立派だった父の娘として恥じないようにしたい。
だけど……一つだけ気がかりがあった。
そっと腹部に触れると悲しいが襲って来る。
(ごめんなさい)
こんなことに巻き込んでしまって。沢山走ったから苦しい思いをしているかもしれない。
子供のことを思うと、覚悟がぶれそうになる。
もう遅いと分かっているけれど、これで良かったのかと後悔が生まれそうになる。
だけど、エルドラ王女とふたりで助かる可能性を選んだのはきっと間違いではない。
(諦めてはだめだわ)
なんとか隙を見て、王女と一緒にリカルドの元に帰ろう。
そして元気な子供を産む。
「エルドラ王女様、立てますか?」
倒れたままの王女の身体を支え、助け起こす。
「あなた……」
エルドラ王女が何か言おうとしたその時、それまで静かだった森の中が突然騒がしくなった。
「な、なんだ!?」
慌てふためく叫び声がする。見るとひとりの騎士が地面に倒れ伏している。
状況がつかめず茫然としていると、リアナたちの周りをたちまち騎士が取り囲んだ。
中心にいるのは、帯剣したリカルドで、彼は部下達に指揮をして敵の兵士達を苦労せずに捉えて行く。
(た、助かった……)
ほっとして身体の力が抜け、リアナはその場にペタリと座り込んだ。
未だ争いは続き怒声が響いているけれど、周囲は護衛が囲みもう危害を加えられる心配は無さそうだった。
エルドラ王女も同じように力尽きている。
立派だった父の娘として恥じないようにしたい。
だけど……一つだけ気がかりがあった。
そっと腹部に触れると悲しいが襲って来る。
(ごめんなさい)
こんなことに巻き込んでしまって。沢山走ったから苦しい思いをしているかもしれない。
子供のことを思うと、覚悟がぶれそうになる。
もう遅いと分かっているけれど、これで良かったのかと後悔が生まれそうになる。
だけど、エルドラ王女とふたりで助かる可能性を選んだのはきっと間違いではない。
(諦めてはだめだわ)
なんとか隙を見て、王女と一緒にリカルドの元に帰ろう。
そして元気な子供を産む。
「エルドラ王女様、立てますか?」
倒れたままの王女の身体を支え、助け起こす。
「あなた……」
エルドラ王女が何か言おうとしたその時、それまで静かだった森の中が突然騒がしくなった。
「な、なんだ!?」
慌てふためく叫び声がする。見るとひとりの騎士が地面に倒れ伏している。
状況がつかめず茫然としていると、リアナたちの周りをたちまち騎士が取り囲んだ。
中心にいるのは、帯剣したリカルドで、彼は部下達に指揮をして敵の兵士達を苦労せずに捉えて行く。
(た、助かった……)
ほっとして身体の力が抜け、リアナはその場にペタリと座り込んだ。
未だ争いは続き怒声が響いているけれど、周囲は護衛が囲みもう危害を加えられる心配は無さそうだった。
エルドラ王女も同じように力尽きている。