クールな騎士団長はママと赤ちゃんを一途に溺愛する
昼食後。自室でベルグラーノ伯爵家宛に届いた手紙の確認をしていると、別室で荷造りをしていたダナが戻って来た。

「リアナ様、ディエス公爵家に持っていく荷物の準備は整いました」

「ありがとう、ダナの支度も終わったの?」

「はい、勿論です。あとは明後日の夜会の準備をしなくてはなりませんね」

「ええ。夜会には新しい薔薇色のドレスを着ようと思うの」

今季の社交シーズンの始めにリカルドから贈られたものだ。

「いいですね。リアナ様のストロベリーブロンドにもよく似合いますし、紫水晶の髪飾りを合わせましょうね」

ダナはてきぱきと用意を勧める。

その様子を頼もしく思いながら、リアナは手紙の返事をしたためた。

しばらくはベルグラーノの屋敷に戻らないので、出来ることは済ませておきたい。

屋敷には家令やメイド長がいるけれど、女主人として自分の仕事はしっかりとこなしたかった。

< 13 / 117 >

この作品をシェア

pagetop