クールな騎士団長はママと赤ちゃんを一途に溺愛する
「リアナ、来たわよ」

扉の前に立つのは、赤い髪に緑の瞳の少し気の強そうな美女。

三つ年上の幼馴染ミラ・アリソンは、リアナが貴族になった後も、変わらずに接してくれている。飾らずに付き合うことの出来る貴重な友人だ。

「ミラ、待っていたわ」

ダナは二人の関係を知っているので、お茶を出すと席を外し二人きりにしてくれる。

するとミラはますますリラックスした様子になり、気楽な様子でソファーに座り込みカップとお茶菓子に手を伸ばした。

「リアナのところのお菓子は相変わらず美味しいわ」

「料理長の腕がいいからね」

「羨ましい。でもこれじゃあ太っちゃいそうね。リアナは妊娠してても健康そのものだし」

そう言いながらミラは次々とお茶菓子を平らげて行く。

「そうなの。食事が美味しくて。健康な身体に感謝するけど、こればっかりはねえ」

小さな溜息を吐きつつ、リアナも遠慮なく菓子をつまむ。

しばらくすると、ミラが部屋の様子を見まわすようにしながら問いかけて来た。

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