クールな騎士団長はママと赤ちゃんを一途に溺愛する
「身体は……大丈夫なのか?」

「はい。健康だけが取り柄ですから」

悲しい気持ちを隠し微笑む。するとリカルドの表情がますます不自然に強張った気がした。

「俺も医者と話したい」

「それでしたら明日いらっしゃいますから、リカルド様にもお知らせします」

「ああ、頼む」

リカルドはそれきり黙り込む。

「では、私はこれで」

リアナが席を立つと、少し慌てたような声がした。

「リアナ!」

「はい」

リカルドにしては珍しく態度だ。

「足元に気を付けて部屋に戻れ」

「?……はい。失礼します」

リアナは言われた通りゆっくりとした足取りで食堂を出て、自室のある二階に向かう。

夫の様子はいつもと違って見えた。冷静な彼も自分の子供が出来たことで少なからず動揺しているのだろうか。
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