クールな騎士団長はママと赤ちゃんを一途に溺愛する
裏庭には高い木が植えられている為日陰が多く比較的涼しい。日中の散歩に向いている。
庭の端には領主館を守るように、背の高い柵がある。その先には更に多くの樹々が続く小さな森のようになっている。
柵を出て少し歩いた先には澄んだ池がある。水面に木々の緑が映り、美しい。
危険な動物が出る心配もないと聞いている為、リアナのお気に入りの場所になっていた。
適当な木陰を見つけ腰を下ろすと、リアナは大きく息を吐いた。
未だ鼓動が落ち着かない。それ程予想外の出来事だった。
(まさかエルドラ王女が一緒だなんて……)
リカルドはなぜ王女を伴って来たのだろう。
ふたり離れたくないというのであれば、わざわざここに来なければ良かったのに。
リカルドが恋しくて会いたいと願っていたけれど、王女と共にいる彼には会いたくなかった。
ふたりが寄り添う姿を見たくないから、自分から距離を置いたと言うのに。
「これじゃあ、意味がないわ……」
ため息交じりに呟く。その直後思いがけない声がした。
「リアナ」
「えっ?」
リアナはびくりと肩を震わせる。
恐る恐る振り返ると、そこにはエルドラ王女と館に入っていったはずのリカルドが居た。
庭の端には領主館を守るように、背の高い柵がある。その先には更に多くの樹々が続く小さな森のようになっている。
柵を出て少し歩いた先には澄んだ池がある。水面に木々の緑が映り、美しい。
危険な動物が出る心配もないと聞いている為、リアナのお気に入りの場所になっていた。
適当な木陰を見つけ腰を下ろすと、リアナは大きく息を吐いた。
未だ鼓動が落ち着かない。それ程予想外の出来事だった。
(まさかエルドラ王女が一緒だなんて……)
リカルドはなぜ王女を伴って来たのだろう。
ふたり離れたくないというのであれば、わざわざここに来なければ良かったのに。
リカルドが恋しくて会いたいと願っていたけれど、王女と共にいる彼には会いたくなかった。
ふたりが寄り添う姿を見たくないから、自分から距離を置いたと言うのに。
「これじゃあ、意味がないわ……」
ため息交じりに呟く。その直後思いがけない声がした。
「リアナ」
「えっ?」
リアナはびくりと肩を震わせる。
恐る恐る振り返ると、そこにはエルドラ王女と館に入っていったはずのリカルドが居た。