ロマンスの王子様
「その代わり、隠し事をしていたことに関しては叱られたけど…」

「あー」

「まあ、仕方ないよ…」

「元カレのこともあったし…」

でもちゃんと打ち明けることができたみたいでよかった。

「私、よかった」

ワッコさんは言った。

「元カレに気持ち悪がられたこともあったから人に――特に男の人に――打ち明けることがすごく怖かった。

でも彼は“僕はそんなことでワコさんを軽蔑しません!”って言ってくれて…もう、本当にうれしかった。

年下なのに頼もしいな、彼に愛されているなって思った」

「おー」

「早速ノロケときましたかー」

ゲルちゃんとヤンヤンから冷やかしを受けるワッコさんだけど、特に満更でもないと言った様子だ。

「でも本当によかった」

そう言った私に、
「うん、よかった」

ワッコさんは首を縦に振ってうなずいた。
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