ロマンスの王子様
「明穂ちゃん、何かあった?」
芳樹さんが声を聞いてきた。
「えっ?」
そう聞き返した私に芳樹さんは目を伏せると、
「いつもと様子が違うと言うか、覇気がないと言うか…」
と、呟くように言った。
「…そう見えます?」
そう聞いた私に、
「見える」
芳樹さんは答えた。
「ケンカしたの?」
「していません」
私は首を横に振ると、
「ちょっと、悩んでいることがありまして…」
と、言った。
「悩んでいることって?」
「奥原さんとどうやって向きあえばいいのかなと思いまして…」
私はそう言うと、天井をあおいだ。
「――私、奥原さんのことを好きになったんです」
それに対して、芳樹さんは何も言わなかった。
芳樹さんが声を聞いてきた。
「えっ?」
そう聞き返した私に芳樹さんは目を伏せると、
「いつもと様子が違うと言うか、覇気がないと言うか…」
と、呟くように言った。
「…そう見えます?」
そう聞いた私に、
「見える」
芳樹さんは答えた。
「ケンカしたの?」
「していません」
私は首を横に振ると、
「ちょっと、悩んでいることがありまして…」
と、言った。
「悩んでいることって?」
「奥原さんとどうやって向きあえばいいのかなと思いまして…」
私はそう言うと、天井をあおいだ。
「――私、奥原さんのことを好きになったんです」
それに対して、芳樹さんは何も言わなかった。