ロマンスの王子様
「そのことなら心配ありませんよ。

つきあっている人はいないですし、いいなと思っている人もいませんので」

私は笑いながら言った。

「それに、私が『奥原グループ』と繋がりを持てば『小町家』は助かるんですよね?」

「まあ、そうなんだけど…」

「じゃあ、芳樹さんが心配することはないと思います」

私は言った。

「それに…私、もうすぐで30歳ですよ?

25歳辺りから結婚する人が次から次へと出てきましたし、最近はヤンヤンが既婚者の仲間入りしちゃいましたし」

「でも、周りがそうだからと言って自分もと言うのは…」

芳樹さんの心配そうな様子は消えないみたいだ。

「まあ、何とかなりますって!

あの『奥原グループ』なんですから!」

私は笑いながら言い返した。
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