ロマンスの王子様
「へえ、そうなんだ」

私が返事をしたら、
「アキポンはいいの?

もう帰った方がいいんじゃない?」

ワッコさんが今度は私の方に話を振ってきた。

「私も大丈夫だよ。

むしろ、ゆっくり楽しんできなよって見送られたくらいだし」

私もヤンヤンのまねをするように笑いながら言った。

「へえ、優しい旦那さんだねえ」

そう言ったヤンヤンに、
「まあね」

私はごまかすように笑った。

「家を助けるために結婚したって聞いたから、ちょっと心配してたのよね。

でも優しい旦那さんでよかったわね」

続けて言ったワッコさんに、
「…ホントによかったよ」

私は言った。

「それじゃあ、混雑しないうちにファミレスへ移動しますか」

「賛成!」

ゲルちゃんの提案に、私たちは声をあげた。
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