ロマンスの王子様
当日を迎えた。

10時過ぎに起きた私はリビングに顔を出すと、テーブルのうえに置き手紙があった。

「置き手紙なんて珍しい」

私はそれを手に取ると、内容を読んだ。

『今日は遅くなる』

一言だけ書いてあった。

「別にどうでもいいんですけど」

と言うか、わざわざ書く必要あるのか?

向こうが仕事しようが浮気しようが、私には関係のない話だ。

「さて、待ちあわせの時間に遅れないように気をつけなきゃ」

カフェのメニューがいっぱい食べれるように、なるべくお腹を空かせよう。

「朝食は紅茶だけにしよう」

ヤカンに水を入れると、コンロのうえに置いて火をつけた。

奥原さんは遅くなる訳だから、私もとことん遅くまで楽しむぞー!
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