ロマンスの王子様
「んーっ、特には思い浮かばないなあ」

ゲルちゃんが言った。

「私もー」

「同じく」

ヤンヤンと私も一緒に答えた。

「ワッコさんは?」

私が聞いたら、
「収納ケースが欲しいと思ってるんだけど、少しつきあってもらってもいい?」

ワッコさんは答えた。

「うん、いいよー」

「じゃあ、一緒に行こうか」

私たちは返事をすると、目的の店へと足を向かわせた。

「ワッコさん、まだ彼氏に自分がオタクだってことを打ち明けてないの?」

一緒に向かいながら、ゲルちゃんはワッコさんに話しかけた。

「うん、まだね。

今日収納ケースが欲しいのは、マンガを隠すためだけに欲しいようなものだから」

ワッコさんは言い返した。
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