ロマンスの王子様
感心すらも感じていたら、
「彼女たちは?」

奥原さんは声をかけてきた。

「あっ…私たち、アキポ…明穂ちゃんの友達です」

ヤンヤンが会釈をするように頭を下げた。

「みんなで遊んでいたんです」

そう言ったのはゲルちゃんだ。

「まさか、こんなところで旦那様に会えるとは恐縮です」

ワッコさんはペコリと頭を下げた。

「ああ、明穂から話はいつも聞いてるよ。

いつも明穂と仲良くしてくれてありがとう」

彼女たちに対して、奥原さんは笑顔で答えた。

いや、一言も話していないんですけど。

そう言いたくなったけど、我慢することにした。

「じゃあ、まだ仕事が残ってるから」

そう言った奥原さんに、
「ご苦労様です…」

私は答えた。

「じゃ」

奥原さんは手を振ると、私たちの前から離れた。
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