ロマンスの王子様
早い話が私が勝手に勘違いをした…と言う訳である。

バカも勘違いも思い違いも、ここまでくると清々しいものがある。

「えっと…その、いろいろとすみませんでした…」

呟くように、奥原さんに謝った。

「何が?」

そう聞いてきた奥原さんに、
「勝手に勘違いしたうえに、奥原さんを避けていたことです…」

私は答えた。

「あっ、でも」

ふと私は気づいた。

「何でそんな言い方をしたんですか?

仕方なく妻にしたんだなんて言われたら、この人は私のことが嫌いなんだって思うに決まってるじゃないですか。

そのうえ、結婚に興味がないなんて言われたら…」

「言われたら?」

奥原さんは首を傾げてきた。

「家を助けるためとは言え、結婚する意味があるのかなってなります…」

私は言った。
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