ロマンスの王子様
6・余計なお迎えはいりません!
奥原さんに嫌われていないと言うことはわかった。

それは私の勘違いだったと言うことはわかった。

だけども、
「好きなのかと言われても困るんですが…」

奥原さんの気持ちがわかったと言う訳ではない。

「あー、わかんない…」

そう呟くと、ベッドのうえに倒れ込んだ。

奥原さんも奥原さんで何だって言うんだよ…。

そう思ったら、先ほど彼に迫られたあの瞬間が頭の中に浮かんだ。

同時に、心臓がドキドキと早鐘を打ち出した。

「ヤバいヤバいヤバい…」

あの端正な顔立ちを間近で見た衝撃がきてる…。

と言うか、何を食べたら…いや、前世でいいことをしたら、あんなにもキレイな顔で生まれてくることができるんだ?

人どころか村――もしかしたら、国の可能性も――を救ってるレベルじゃないか?

「…うーむ、我ながらバカバカしいな」

もう寝ようと自分に言い聞かせながら、私は目を閉じた。
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