ロマンスの王子様
「それは断る」

「えっ?」

何でそこまでデートをすることにこだわるんだ?

「別に今日じゃなくても、また次の機会にでも…」

「次はいつになるんだ?」

「いや、それは…」

そんなことを言われてしまった私は何と答えればよかったのだろうか?

「とりあえず、どこかでお茶でも飲みませんか?

スタバとかドトールとかありますし、そこら辺でお茶を飲みながら話をしましょう」

半ば苦し紛れに出した提案だったが、
「デートらしいと言えばデートらしいな、それで行こう」

奥原さんは名案だと言うように首を縦に振ってうなずいた。

そんなつもりで出した訳じゃないんだけど…まあ、結果的にはそれでいいか。

近くにスターバックスがあったので、私たちはそこに足を踏み入れた。

私はカプチーノを、奥原さんはブラックティーを頼むと、椅子に腰を下ろした。
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