ロマンスの王子様
緑茶を淹れると、冷蔵庫からお茶菓子を取り出した。

お茶菓子は日本のものがいいだろうと思ったので、大福にした。

「お待たせしました」

大福と緑茶をお盆に乗せてリビングへと戻ってきた。

「おっ、これは美味しそうだね」

お父さんは嬉しそうに言ったので、私はテーブルのうえに緑茶と大福を置いた。

「どうぞ、お召しあがりください」

「これはこれは…じゃあ、いただきます」

お父さんは手をあわせると、大福をかじった。

「うん、美味しい」

よかった。

嬉しそうに大福を頬張って緑茶を口にしているお父さんの様子に、私はホッと胸をなで下ろした。

もし、気に入らないだのマズいだのと言われたらどうしようと思ってた…。

だけども、気に入ったみたいで本当によかった。
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