ロマンスの王子様
奥原さんと一緒に3人で話をしていたら、時間はあっと言う間に過ぎた。

「もうこんな時間か…」

腕時計で時間の確認をした奥原さんが呟いた。

時間は7時少し前である。

お父さんはここに泊まるので宿泊先に関しては特に問題はない。

「どこかへ食べに…と言いたいところだけど、時間も時間だし、休みだから混んでいるだろうし…」

奥原さんはどうしたもんじゃろかと言うように腕を組んだ。

「じゃあ、ピザとかお寿司とか何かを頼みませんか?」

私が提案を出したら、
「そうするか」

奥原さんは返事をしてお父さんの顔を見ると、
「親父、それでいい?」
と、確認をした。

「いいよ、寿司が食べたい。

海外に住んでいると、生魚を食べる機会がなくて…」

お父さんは苦笑いをしながら言った。

「じゃあ、電話してくるよ」

奥原さんはそう言うと、リビングから離れた。
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