Match maker
「雅実は、他の人とも…マッチング出来た。俺がたまたま先にしていたから、そっちの男性としなかっただけで…」

…ああ、そうか。

この前検索して、一人ヒットしたんだっけ。

【ああ、確かにな。どうする、会うか?】

「…え、いや、どんな人かも見てなくて…」

【“イケメン”やろ?雅実の条件からして】

「ま、そ、そう、だけど…」

「会えばいい。別に、顔だけで、俺はここにいるわけだし」

……そうだけど。

そうだけど、さぁ。

私は、あんたが品川さんにも手出してるから

彼女に言いたい放題言われ

“顔だけ”って顔だけでもあるだけいいじゃん。

私なんて、『年老いたブス』とか『分不相応』とか…

イライラしてきてつい言ってしまう。

「だいたい、田中さんはそんな顔だから、相手に求めないのかと思えば、結局、若くて可愛い子が好きなんじゃない!そっちに行ったくせに。だから、私も…」

「はぁ?そっちの意味が分からない。それと俺の顔は関係ないだろ」

「“誰でもいい”なら、誰でもいいでしょ!その癖、結局顔だし!」

「…その話し方、何とかならない?説明が下手過ぎる」

「それは、田中さんのスキルの問題ではありませんか?相当失礼な事をしたわけでしょ?先に“NO”を出すのが筋ってものでしょう!あなたから、ちゃんと」

【はいはいはーい、そこまで、そこまで】

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