Match maker
すぐに聞こえたのは

『田中実雅さんからの着信です。』

「オッケー、受けて。」

「申し訳ありません…その…」

「いいですよ、別に。」

AIに返信させてた事ね。敢えて、0通さなかったのに。

「さすがに、裸は…」

そっちかい。

「ええ、何でもいいんで服、着てきてもらえます!? 切って。」

通話を一方的に終了させた。

彼の言葉を使って言ってやったけど。

何だ、あれ。

随分なポンコツ具合じゃなかろうか。

あの関西AIのがよっぽど人間ぽいわ。

顔が良ければいいのか、私は。

だけど、目指すのは成婚。

恋愛じゃなくて、結婚だ。

ならば、必要ではないか?見た目だって。

じゃあ、彼の“誰でもいい”も、仕方がないのか。

もういいや、分からない。

情報だけでは分からない。

聞こう、本人に。

警告音も無視してもらって。

< 12 / 187 >

この作品をシェア

pagetop