Match maker
頭が働いていないのは、この瞬間も同じで

この手の温もりだけ。

どうでも良くなる、何もかも。

この手を離したくない。

ただ…それだけだ。

表現し難いほどのこの気持ち…

これを味わえるのは雅実だけで

この気持ちを味わえただけでも幸せだと思う。出会えて良かったと、そう思う。

なのに…

雅実もそうであって欲しい、そう思うようになって

思えば自分の事ばかり。

雅実も同じように、俺と手を繋げば

こんな気持ちになると…

どこかで勘違いをしていたのかもしれない。

怒らせたいわけじゃなかった。

笑ってくれたらいいなって…

雅実はどう思っていたのだろうか。

“時間を無駄になんてしてられない”

雅実に出会う前はそう思ってた。

だけど、今は…

どれだけ時間が掛かっても構わない。

この手を離さずに済むのなら。

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