Match maker
察しがついて、息を吐いて言った。

「他の男性と一緒だった?」



俺がそう言うと、品川さんは意表を突かれたのか、暫し沈黙した。





「…ご存知だったんだ。それって…」



「雅実の自由ですからね。俺とマッチング中だから、報告はあります」



「実雅さんとマッチングしておいて、他の男性を見たいって結構失礼な人だわ、私なら…そんな事はしないのに」



そう言って品川さんは、欠伸をした後の様に目を潤ませて俺を見た。



「僕が、会えばって言ったのですよ」



「え!?それって…実雅さんも雅実さんに他の男性を見て欲しいって事ですよね?」



品川さんはより一層瞳を輝かせて



手のひらを胸の前で合わせ



「なんだぁ、やっぱりぃ、良かったぁ」

そう言って俺に一歩近づいた。





「ね、実雅さん、今から食事でも行きましょうよ、雅実さんだって自由にされてるんですからっ、ね?」



そう言うと、そっと俺の手に自分の手を重ねた。
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