Match maker
相変わらず、実雅さんは会話の中で

【ブーブー】と0に警告音を鳴らさせたけれど



私達は“恋人”としても“婚約者”としてもうまくいっていた。



手を繋いで歩く。

少し寒くなり始めた頃だった。





見かけた姿に、やっぱり心がザラッとしてしまう。



品川さんだった。



「…あら、何かデコボコのカップルだと思ったら…まだ付き合ってらしたんですね」



「ええ、僕と彼女は身長さがあるので。だけど、普段は室内で過ごすので気になりませんよ」



田中さんの言葉にカッと赤くなったのは私と品川さん。



私は深読みしすぎて。

品川さんは怒りによって。



「完璧な人って女性の趣味が悪くなるのかしら」

頭に血が上っているのか田中さんの前でも彼女はそう言った。



こういう時、全く頭が働かないのが私だ。

後から思い出して腹立つパターン。



今回も……



そう思っていたら





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