Match maker
【最近、実雅とお過ごしになることが多いのでゼロは…】

「寂しいの?」

今日は自分の家だ。
といっても、もうここも…今日で無くなる。

【ゼロに感情は…あったらどうします?】

「え、どうもしない。いつも通り」

【あなたのそういうところが、実雅は好きなのでしょう】

「どういうこと?」

【0の開発者は実雅と同じ部類の方ですからね】

「ああ、天才ね」

【ええ、だけどあなたのデータも未来にはきっと役に立つでしょう】

「お別れが近いのね。ゼロちゃん」

【ええ、お別れの寄せ書きも、花束もゼロには必要ありませんからね】

……バレてる。

【ゼロの望む事は……出生率の向上】

「頑張るね、ありがとう」

【ええ、幸せに、雅実】

ゼロが出てきたのはこれで…最後だった。

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