Match maker
第4話

データと実体

もう、見てやろうと

ゼロから彼のデータを見ていた。

見ている途中で閲覧可能なデータが増加した。

彼が私が見ている事に気づいて閲覧可能範囲を広げたのだろう。

閲覧可能範囲…というか、全部、見ようと思えば見れる。

つまり、知りたければ見ればいいと、彼は思っているのだろう。

データ上は、理想の遥か上をいく。

容姿に関しては彼の実物大立体ヴィジョンが目の前に現れ、思わず姿勢を正した。

横幅のある綺麗な目からは自信が溢れている。

厚すぎず、薄すぎる事もない唇は、しっかりと口角が上がっている。

聡明さが表れた顔立ち。

正面から見ても、横から見ても

はぁ。

憎らしい程のイケメンだ。

本人も分かっている。

だけど、私にその容姿を利用し過ぎる。

色仕掛けならぬ、顔仕掛け。
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