Match maker
逆にそこ以外に魅力はない。

ただ、人間は目からの情報が90%というではないか。

頑張れ、あとの10%。

いや、でも…

目のないゼロのデータでも完璧。

何かそれが腹立つというか…

惚れて当たり前という態度。

人を見下した、あの目。

格好いい…目!

って、違う。

あの性格だ。

苦労するに決まってる。あんなのと結婚したら。

そして、何より後がないのだ。私には。

時間がない。

【パーフェクト】

不意にゼロがそう言った。

「そうね、データ上はね。あなたには、分からないかもしれないけれど。」

【彼からのメッセージです。】

『気に入って頂けましたか?』

「“データ上と実体はまた違います。”って、返して。」

『それは、雅実は、僕に会いたいという認識で構いませんか?』

……。

動揺する、自分に腹が立つ。

“N0”って言ってやる。次こそ。

返事に悩んでいると

『僕は、会いたい。』

思わず持っていたカップを落としかけ、数回空を掴み、何とかキャッチした。

【心拍数が通常より、乱れています。】

「“会って、話はしたい”ってお願い。」

【了解致しました。】

『では、明日。服は、着て来て下さい。おやすみ、雅実。』

立体映像消しとけば良かった。

あれのせいだ、あれの。

「消去。」

そう言うと、大きく息を吐いた。

【心拍数が、依然…】

「分かってる、分かってる!ゼロもお休み!」

【ブィッシューン】

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